タイトル |
概要 |
0001:そこまでして |
金曜日の夜、隣町の公園で走るのが毎週のルーティンだった。 |
0002:古い携帯 |
かつて使っていた携帯が押し入れから出てきたので、ダメ元で電源を入れてみることにした。 |
0003:幸福 |
まったくもって、今の私は幸福とは言えない。しかし、今の私は幸福である。 |
0004:靴下 |
家の中でも寝るときも靴下を履く。その習慣はやはり急にやめるべきではなかった。 |
0005:優良物件 |
築1年以内、駅からもスーパーやコンビニからも近い優良物件、なのに、家賃はやけに安かった。 |
0006:門松 |
門松といえば、正月に年神を迎えるための物。それが、一年中出ている家を見たことがあるだろうか。 |
0007:衝立 |
仕事場は、個人個人のスペースが衝立で区切られている。その向こう側で個人が何をしているかは知らない。 |
0008:コインランドリー |
一軒家の跡地に建てられた近所のコインランドリー。深夜に急に洗濯が必要になって訪れてみたが。 |
0009:鳥葬 |
枯葉がひとつ、頬を掠めるように風に踊りながら地に落ちる。それが物悲しいのは、何故なのか。 |
0010:晩酌 |
家庭が壊れ、酒瓶に囲まれ、たった一人で死んでいった父。私は、そんな父を心から軽蔑していた。 |
0011:影 |
間接照明だらけの変わった部屋に住む同期。部屋の電気をつけると、奇妙なことがあった。 |
0012:居酒屋 |
寝過ごしてしまって最寄り駅を大きく通り過ぎてしまったので、居酒屋にでも入ってみることにした。 |
0013:道端の花 |
道端に花が供えてあると、ひどく気分が沈むものだ。今日もまた、橋の上に花が供えてあった。 |
0014:飼い猫 |
隣人が行方不明になった。その日から、隣人の飼い猫が毎日我が家をじっと見てくるようになった。 |
0015:恩師 |
母校のニュースを見て、かつて勉強が苦手だった自分を変えてくれた恩師のことを思い出した。 |
0016:代償 |
仕事一筋で機械嫌いの包丁職人。家族を省みずに仕事に邁進し、80歳を過ぎた。 |
0017:徳利 |
曾祖父の形見の徳利。その徳利に酒を注ぐと、夢の中で曾祖父に会える。 |
0018:ミニマリズム |
物を増やすのを嫌ってほとんど物を持たなくなった私にも、初めて彼氏ができた。
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0019:メッセージ |
別れた彼女から、久々に電話で話したいというメッセージが入った。 |
0020:理科準備室 |
ほぼ理科準備室にいる教師の元を訪れるのは、その女生徒ただ一人だけであった。 |
0021:村 |
ある場所で発見されたノートには、とても奇怪な出来事がつづられていた。 |
0022:夢 |
夢を見ていたかもしれない。夢かどうかもわからない。これは夢か、現か。 |
0023:捨て犬 |
捨てられた犬を救えなかったあの子供の頃の春の日、私が願ったのは。 |
0024:闇の中 |
何も見えないところに愚痴を履き続けることで、私は優等生を演じ続けられていた。 |
0025:開放厳禁 |
私の会社のルールとして、窓を絶対に開けてはいけないという決まりがある。その理由は虫でも埃でもなく。 |
0026:居眠り |
居眠りばかりの同僚をスマホで撮影したら、そこには奇怪なものが。 |
0027:汚部屋 |
ゴミや荷物が大量に積まれた汚部屋から脱却したくて、片づけを始める。 |
0028:荷物 |
部屋を引き払うことになり、いくつかの段ボールに荷物をまとめてトラックに積み込んだ。 |
0029:池 |
人生で一番失敗したな、と思ったのは、大学生の頃、とある心霊スポットに行ったこと。 |
0030:消えない街灯 |
家の近くに、昼間でも消えない街灯がある。私はその理由を知って、心から恐怖した。 |
0031:窓をふさぐのは |
部屋には窓が3つある。しかしそのうちの一つは、どう開けても風が抜けて行かないのだ。 |
0032:子供の絵 |
親友の子供は、絵を描くことが好きだった。しかし、その絵には必ず、理解できないものが書かれるのだ。 |
0033:冷たい石 |
庭にあったひときわ大きな石は、真夏に触ってもひどく冷たく、そして、持ち上げられないほど重かった。 |
0034:自業自得 |
絶縁していた大叔母が亡くなり、形見分けのような形で数多くのアクセサリーを貰うことになった。 |
0035:井戸 |
久々に田舎に帰って想い出の井戸に釣瓶を落とすと、妙な液体が汲みあがってきた。 |
0036:塗り箸 |
結婚記念日に、妻から塗り箸を貰った。その日から、視線を感じるようになった。 |
0037:扇風機 |
会社の倉庫を掃除していたら扇風機が出てきたので、休憩室に置くことにした。 |
0038:留守番 |
小学校の頃、鍵っ子だった私が留守番をしていると、裏手から声が聞こえた。 |